34.脳をリラックスさせないメダリストたち
戦うクオリアの戦法はいろいろあります。それにしても戦闘モードや戦法とは
あまり平和的な表現ではありません。でも脳をリラックスさせない手法とはこ
ういうものです。
唐突ですが、ボーリング場のBGMに集中しながらボールを放るとけっこうス
トライクが取れることを知っていますか? 私はこの手をよく使います。
と言うのもBGMに集中することによって、ボールを放るという意識が分散す
るからです。つまり結果として力まなくなります。
集中力と意識の分散との合体とは一見相反するように見えます。そしてまたふ
たつの行為を同時にするとはたいへんな作業です。そこで戦うクオリアが登場
してくるわけです。BGMを前頭葉周辺で捕えて離さないということです。そ
してその感覚のままでボールを放ります。ぜひ試してください。
ここで集中力と意識の分散についてオリンピックのメダリストに登場してもら
いましょう。運動会の徒競走である生徒が無気力のままスタートラインに立っ
たとしたら、だれもが勝てないと予測するでしょう。
そのように判断するのはあたり前です。私もそうです。だからだれもが一生懸
命に走ろうとします。だからだれもが一生懸命に歌おうとします。
でもオリンピックのメダリストたちは走り終わったあとに「走っているという
実感が薄かった」または「まるで走らされているようだった」とみな口をそろ
えて言います。
だからと言ってメダリストたちの集中力が落ちているとはだれも思いません。
走っているときに脳をリラックスさせなかったからです。彼らの言葉の背景に
は高められたクオリアが輝いています。オーラです。フロー状態を体験したか
らです。これは戦うクオリアの勝利です。
さて自分自身を運動会の生徒とメダリストの間に立たせてみましょう。そうす
ると自分の立っている位置すなわちクオリアの高さが明確になるはずです。こ
のようにいろいろな場面で戦うクオリアを試すことができます。そしてまた自
分の位置を確かめることもできます。
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「3章 脳を刺激する効果のからくり」カテゴリの記事
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